為替相場が乱高下する場合の臨時的な期末時換算法の為替レート

 2022年3月以降、外国為替相場は日米の金利差を主因として急激に円安ドル高方向に進んでおり、10月20日には32年ぶりの円安水準となる1ドル150円台へ進み、翌21日には外国為替市場で151円90銭台に達しました。11月4日に発表された米雇用統計が強弱入り交じった内容となったことや、同日の米債券市場で米長期金利の上昇が一服したことから円の対ドル相場は上昇したものの、2022年11月18日の東京外国為替市場の終値は139円80銭台と円安状況が続いております。

 外貨建資産等を『期末時換算法』で円換算する場合の為替レートは、原則、期末時のTTMによります。ただし、継続適用を条件に、外貨建ての資産は電信買相場(TTB)、外貨建ての負債は電信売相場(TTS)によることも認められています。また、期末時のTTM・TTB・TTSは、継続適用を条件に、期末日を含む1か月以内の一定期間のそれぞれの平均レートによることも可能です。

 加えて上記の例外として『おおむね15%以上』の為替相場の変動があった場合には、継続適用ではなく例外的期末日を含む1か月以内の一定期間のそれぞれの平均レートによることも認められています。「(外貨建資産等の額につき期末時の為替相場で換算した本邦通貨の額-期末時の外貨建資産等の帳簿価額)/外貨建資産等の額につき期末時の為替相場で換算した本邦通貨の額」がおおむね15%以上の場合、翌期の洗替処理不要で期末時レートでの円換算が認められる「為替相場の著しい変動があった場合の円換算特例」の判定方法と同様となります。

 

税理士 三木 孝夫

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