動画作成費用と広告宣伝費

新商品の発表に伴いSNSで配信する商品PR動画など、企業がオリジナル動画を作成することは一般的となってきています。この商品PRなどを目的とした動画作成費用は、税務上、広告宣伝費としての処理が可能となります。

動画作成費用は、一見すると耐用年数省令に定められている器具備品の「映画フィルム・磁気テープ・レコード(耐用年数2年)」に該当しそうな気もしますが、動画と映画フィルムなどはそもそも無形・有形という点で異なるため、動画の作成費用を器具備品として資産計上する必要は無いと考えられます。また、一般的な動画であればプログラミングも施されていないため、「ソフトウェア」(耐用年数5年)として資産計上も不要と考えられます。

その一方で、動画の使用期間が1年以上及ぶのであれば、「繰延資産」への該当も気になるところではありますが、「繰延資産」に該当する費用は、政令で列挙されており、動画作成費用はそのいずれにも該当しないことになります。

なお、その動画を複数年数にわたり使用する場合には、その使用期間、つまり「その効果が及び期間」で費用処理することが望ましいです。広告宣伝費の処理について、国税庁の文書回答事例でも『広告宣伝機関を基礎して期間配分し、それぞれの期間の属する事業年度に損金算入する』旨が示されています(国税庁HP:『「山の日記念全国大会in鳥取」において協賛企業が支出する費用の税務上の取扱いについて』など)

Screenshot of www.nta.go.jp

 

税理士 三木孝夫

 

 

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